柳宗理のカトラリーはなぜ永遠のロングセラー?人気の理由や種類などを徹底解説!

柳宗理のカトラリー
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日本を代表するプロダクトデザイナー・柳宗理の代表作の一つがカトラリーです。

装飾をそぎ落としながらも、手仕事のような温かみを感じさせる柳宗理のカトラリーには、デザイナーの個性を前面に出さない匿名性と普遍性があり、1974年の発売から半世紀近くが経った今でも、多くの人に選ばれ続けています。橋や高速道路の防音壁といった巨大建築物も手がけた世界的デザイナーでありながら、ここまで日常的に使われる作品を残した点において、柳宗理は稀有な存在といえるでしょう。

この記事では、柳宗理のカトラリーの魅力や豊富な種類、お得にそろえられるセット、さらには比較検討したい無印良品やクチポールなどの他ブランドについて、わかりやすく解説します。

柳宗理のカトラリーの魅力

カトラリーには実用性だけでなく、毎日見ても飽きない美しさが求められます。さらに、何本も買いそろえることが多いため、手に取りやすい価格であることが望ましいでしょう。

こうした難しい条件を、柳宗理のカトラリーは高いレベルで満たした日本が誇るプロダクトです。さっそく、その魅力をご紹介します。

時代を超越したデザイン

柳宗理のステンレスカトラリーは、発売から半世紀近く経った今も色あせていません。1974年の発売時にはグッドデザイン賞に輝き、その後も長きにわたって国内外で愛され続けています。まさに、時代を超えて評価されるデザインといえるでしょう。

また、カトラリー全体に漂う温かさや、どこかユーモラスなフォルムは、コンピューターを使わず、木彫りや粘土で手を動かしながら試作を重ねた柳宗理ならではの造形です。見た目の美しさと使いやすさを兼ね備えた形には、父・柳宗悦が提唱した「用の美」の精神が受け継がれているとも評されています。

INSの眼鏡や無印良品のカトラリーなども手がける現代の人気デザイナー、ジャスパー・モリソンは、「もし、どこかで売っているのを見かけたら、どれでも即座に買うね」と語っていました。

※出典:MAGAZINE HOUSE(2008).BRUTUS Casa 柳宗理

また、ル・コルビュジエの右腕といわれたシャルロット・ペリアンの自宅では、柳宗理のカトラリーが日常的に使われていたそうですよ。

写真を見る限り、黒柄のデザートフォーク、デザートナイフにセラミックのプラター、ボールを組み合わせるのがお気に入りだったようです。

※参考:河出書房新社(2012).柳宗理 「美しさ」を暮らしの中で問い続けたデザイナー

とにかく使いやすい

柳宗理のステンレスカトラリーは、実用性にも大変優れています。例えば、横長のスプーンは皿の隅まですくいやすく、短めのフォークは刺す・すくうの両方に対応。ナイフは切るだけでなく塗る・乗せる動きにも優れているのです。

さらに柄の部分に注目すると、緩やかなカーブがあり、自然に手になじむ感触に驚かされます。使い手の動作を徹底的に観察したうえで生まれた形であり、見た目と実用性を融合させた設計なのです。

種類が豊富

柳宗理のステンレスカトラリーは、種類がとても豊富です。スプーンやフォークにはそれぞれ複数のサイズが用意されており、食事の内容や手の大きさに合わせて、ぴったりの1本を選べる点が魅力です。価格も手ごろですので、あれもこれもとそろえたくなってしまう方も多いのではないでしょうか。

さらに、カレーには深皿に合うカレースプーン、カニ料理にはカニフォーク、グラスの底まで届くパフェスプーンなど、用途に特化した専用アイテムも充実。一度その食べ心地に慣れると、もう一般的なカトラリーには戻れなくなるという口コミが数多くみられました。

技術力の高い新潟県燕市のメーカーが製作

柳宗理のステンレスカトラリーは、日本有数の金物の産地である新潟県燕市の日本洋食器株式会社で製造。職人の高度な技術で知られる日本洋食器株式会社で作られたカトラリーは、佐藤商事株式会社を通じて国内外へ届けられています。

柳宗理のカトラリーは、一枚のステンレス板から約50もの工程を経て、丁寧につくられます。すべてを機械に任せず、最終仕上げには高度な技術を持った職人の手が加えられているのも特徴です。

1970年代、柳宗理は海外製品の流入で苦境にあった地場産業を支えたいと考え、高い技術を持つこの地でカトラリーの開発に取り組みはじめたのです。

柳宗理のカトラリーの種類

柳宗理のカトラリーは、「#1250 ステンレスカトラリー」と「#2250 黒柄カトラリー」の2系統です。

ステンレスカトラリーの無駄をそぎ落としたデザインは、柳宗理が敬愛したル・コルビュジエのアンチ・装飾芸術の影響を思い起こさせます。

また、黒柄カトラリーはしっくりと手になじむ黒柄が大きな魅力。経年変化も楽しめます。

#1250 ステンレスカトラリー

柳宗理のステンレスカトラリーは、高品質な18-8ステンレスを使用しています。表面はつや消し加工でキズが目立ちにくく、食洗機にも対応。

日々の使用でも風合いが変わりにくく、耐久性と剛性が非常に高いため、長く使い続けられるでしょう。さらに、価格が安いため、各種のカトラリーを家族の人数分購入してもお財布に優しい点もうれしいところです。

ステンレスカトラリーのラインアップを以下に示します。

スプーン

種類サイズ(mm)用途例
コーヒースプーン118エスプレッソ、アイス、調味料
ティースプーン140紅茶、ヨーグルト、小皿料理
ラージティースプーン162少し多めのスープやデザートに
デザートスプーン170デザート、副菜、小さめの主食
スープスプーン170ポタージュや汁物をしっかりすくう
テーブルスプーン183カレー、リゾット、メイン料理
ディナースプーン194ボリュームのある料理に対応
アイスクリームスプーン150アイス、プリンなど冷菓に最適
グレープフルーツスプーン160果肉をくり抜きやすい先端
カレースプーン183皿部の先端を浅く、後方を深く設計。チャーハンや丼ものなども食べやすい
パフェスプーン185背の高いグラスに届く長柄、パフェやクリームソーダに最適
シュガーレードル130砂糖や塩など小さな取り分けに
サービススプーン220大皿からの取り分けに便利
サービングスプーン253パーティー料理や盛り付け用
サーバースプーン248サラダ、前菜の取り分けに
ソースレードル165ソースやドレッシングの注ぎに

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関連記事:「柳宗理のパフェスプーンでおうちパフェがうまい!幅広い用途やメリットなど

フォーク

種類サイズ(mm)用途例
ヒメフォーク140フルーツや焼き菓子、ケーキ
ケーキフォーク150ケーキ、タルト、ミルフィーユなど
デザートフォーク170デザート全般、サラダや前菜など幅広く使える汎用サイズ
フィッシュフォーク170ムニエルやポワレなど魚料理に(身を崩さず口へ運びやすい)
テーブルフォーク183メイン料理全般に。パスタ、肉料理、ワンプレートにも
ディナーフォーク195ステーキやローストなどボリュームのある主菜向け
パスタフォーク198スパゲティなどロングパスタを巻き取りやすい
カニフォーク183甲羅や脚の隙間から身を取り出すのに便利(エビや貝にも)
サービスフォーク220大皿料理やオードブルの取り分けに。サービススプーンとの併用に最適
サーバーフォーク248サラダやパスタの盛り付け・取り分けに。長柄で深めの器にも届く

関連記事:「柳宗理のパスタフォークは本当に食べやすい?子どもでもくるくる巻ける秘密とは?

ナイフ

種類サイズ(mm)主な用途の具体例
バターナイフ170バターやチーズの塗布、カット
フルーツナイフ170果物、サンドイッチのカット
デザートナイフ210軽食やケーキカットに最適
フィッシュナイフ207魚の身を崩さず切りやすい
テーブルナイフ230肉や魚の切り分けに便利
ディナーナイフ220厚みのある肉料理など本格的な食事に

その他

種類サイズ(mm)主な用途の具体例
マドラー220飲み物のかき混ぜ、カクテル用
ケーキサーバー235ケーキやタルトの取り分け用

#2250 黒柄カトラリー

柳宗理の黒柄(くろがら)カトラリーは、ステンレスの機能性に加えて、温かみのあるカバ材積層強化木の柄が特徴です。1982年に製品化されました。

手にしっとりなじむ持ち心地で、滑りにくく扱いやすいのが魅力。使い込むほどに風合いが増すため、経年変化を楽しむカトラリーとしても人気です。

ステンレスと樹脂を一体化させる構造は、高い技術を持つ限られた職人にしかつくれないため、量産が難しく価格はやや高め。しかし、それだけに特別感があり、長く使うほどに価値が実感できる逸品です。

黒柄カトラリーのラインアップを種類別に紹介します。

スプーン

種類サイズ(mm)用途例
コーヒースプーン121小さなカップやアイスにぴったり
ティースプーン137紅茶、ヨーグルト、軽食に使いやすい
デザートスプーン178スープ、カレー、主菜にちょうどいいサイズ
スープスプーン179ポタージュなどの汁物全般に最適
シュガーレードル123砂糖、塩など細かな調味料用

フォーク

種類サイズ(mm)用途例
ヒメフォーク127フルーツやケーキの取り分けに
サラダフォーク168サラダや副菜の取り分けに便利
デザートフォーク190パスタ、メイン、カレーなど万能に
デザートフォーク(4本歯)190繊細な食材もしっかりつかめる設計

ナイフ

種類サイズ(mm)用途例
バターナイフ168バター、チーズ、ペーストの塗布用
デザートナイフ215肉料理やサンドイッチ、日常の切り分けに

柳宗理のカトラリーはセット買いもおすすめ

柳宗理のカトラリーは個別に1本単位で購入できますが、セット買いもおすすめです。別々に購入するより、割安の価格で購入できます。

柳宗理デザインの公式カトラリーセットは、すべてステンレスカトラリーです。

  • ケーキフォーク5pcs(ケーキフォーク×5)
  • ティースプーン5pcs(ティースプーン×5)
  • ティースプーン/ヒメフォーク 10pcs(ティースプーン、ヒメフォーク各5本)
  • フルーツ14pcs(デザートスプーン×6、デザートフォーク×6、シュガーレードル×1、バターナイフ×1)
  • デザート20pcs(ティースプーン、デザートナイフ、デザートフォーク、デザートスプーン各5本)

このほか、各ショップが独自のカトラリーセットを組んで販売している場合もあります。

柳宗理のカトラリーと比べておきたいブランドカトラリー

カトラリーはこだわり始めると奥の深い世界といえます。ここでは、柳宗理のカトラリーとデザイン性や機能性において似たところのあるカトラリーを紹介します。比較検討にお役立てください。

ステンレスカトラリーなら無印

無印良品のステンレスカトラリーは、シンプルで美しいデザインが魅力。世界的デザイナー、ジャスパー・モリソンが手がけたシリーズで、日常使いにちょうどよい実用性があります。

アイテムは1本ずつの個別購入のほか、テーブルセットでのまとめ買いも可能。柳宗理のカトラリーと価格帯も近いですので、比較対象となるでしょう。

ジャスパー・モリソンは、カトラリーに対して強い情熱を持っており、スプーン専門の写真集「A Book of Spoons」という著書もあるほど。

ある雑誌のインタビューにおいて、ジャスパー・モリソンは柳宗理のカトラリーを絶賛しており(※)、何らかの形で影響を受けている可能性もあります。

参考:MAGAZINE HOUSE(2008).BRUTUS Casa 柳宗理

アルネ・ヤコブソン「AJカトラリー」とカイ・ボイスン「グランプリ」との比較は以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:「人気ステンレスカトラリー3選|柳宗理/アルネ・ヤコブセン/カイ・ボイスンを徹底比較

黒柄ならクチポール

黒柄カトラリーを探しているなら、ポルトガル発のクチポール「GOA」シリーズも注目に値します。中でもブラックシルバーは、柳宗理の黒柄カトラリーと同じく、和洋どちらの食卓にも合う洗練されたシンプルなデザインです。

GOAシリーズは、自社工場で一貫製造されており、細部まで美しい仕上がり。特に樹脂とステンレスの絶妙なバランスと、手仕事ならではの繊細なカーブが人気を集めています。

ラインアップも豊富で、ナイフやスプーン、フォークだけでなく、ケーキサーバーやソースレードルまでそろっています。3本セットや6本セットもあり、贈り物にもおすすめです。黒柄のモダンな雰囲気を求める方には、柳宗理と並んで比較検討してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

ここでは、柳宗理のカトラリーについてよくある質問に回答します。

  • ディナーナイフとテーブルナイフはどう違うの?
  • 柳宗理のカトラリーの焼け跡みたいなものは何ですか?
  • カレースプーンとパフェスプーンは柳宗理のデザインなの?

テーブルナイフとディナーナイフはどう違うの?

サイズと使い方の違いがあります。

テーブルナイフ(230mm)は、魚や軽い肉料理など、汎用的に使えるナイフです。ナイフとしてはかなり大きめですので、小回りが効きにくく、女性や子どもには扱いづらいと感じる場合もあるかもしれません。また、刃にギザギザが付いていないため、切れ味の点でディナーナイフに劣ります。

ディナーナイフ(220mm)は、厚みのある肉料理など、しっかり切る用途に向いた重厚でフォーマルなナイフ。刃にギザギザが付いているため、筋のあるお肉もスパッと断ち切れます。

柳宗理のカトラリーの焼け跡みたいなものは何ですか?

柳宗理のカトラリーに見られる焼け跡のような模様は、製造過程で生じるステンレス特有の現象です。製品の欠陥ではなく、高温のプレスや研磨などの工程で一時的に金属表面が変色するために現れます。

ただし、これらはメーカーが定めた品質基準をすべてクリアしたうえで出荷されており、使用上の問題はまったくありません。むしろ、機械だけでは再現できない手作業の証ともいえます。

カレースプーンとパフェスプーンは柳宗理のデザインなの?

厳密にいうと、柳宗理のデザインではありません。

カレースプーンとパフェスプーンは1974年以降に登場した「#1250 ステンレスカトラリー」シリーズに、2018年に新たに追加されたアイテムです。柳氏のデザイン理念や形状を継承しつつ、現代の食文化に合わせて柳工業デザイン研究会が設計しました。

著名デザイナーの理念やスタイルを引き継ぎ、現代のニーズに合わせて新製品を企画する「継承デザイン」は、プロダクトデザインの分野では一般的です。

柳宗理のカトラリーでいつもの食卓が変わる!

柳宗理のカトラリーは長く愛され続けており、これからも日本だけでなく世界中の人々に選ばれ続けることでしょう。「用の美」をかたちにしたデザインは、時代が変わっても常に新しく、同時にどこか懐かしさも感じさせます。

柳宗理のカトラリーの本当の魅力は、実際に手に取り、日々の食事に使ってみなければわかりません。柳宗理のカトラリーで、いつもの食卓に少しだけ特別な空気を添えてみてはいかがでしょうか。