人気ステンレスカトラリー3選|柳宗理/アルネ・ヤコブセン/カイ・ボイスンを徹底比較

柳宗理のカトラリー
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ステンレスカトラリーのなかでも不動の人気とステータスを築いているのが、

  • 柳宗理「ステンレスカトラリー」
  • アルネ・ヤコブセン「AJカトラリー」
  • カイ・ボイスン「グランプリ」

の3つです。

「本物を長く使い続けたい」「美しいカトラリーを毎日使いたい」といった方たちから選ばれ続けています。

そこで本記事は、この3種類を「三大カトラリー」と称して特徴や魅力をご紹介します。併せて比較検討のポイントも解説していますので、ぜひ商品選びのご参考にしてください。

柳宗理|ステンレスカトラリー

デザイナー紹介

柳宗理(1915年~2011年)は日本を代表するインダストリアル・デザイナーの一人です。工業デザインの分野を中心に活動し、作品は家具からテーブルウェアまで幅広く、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のコレクションに収蔵されている作品もあります。

柳宗理は無名の職人がつくる日用品の美に光を当てた柳宗悦の息子であり、「用の美(用と美の結びつき)」の考え方を持っています。この背景もあって、柳宗理のプロダクトは美しくもあくまで実用的、なおかつリーズナブルな価格であるのが特徴です。

ステンレスカトラリーは、非常に高い技術を持ちながらも外国製品に押されて衰退していた新潟県燕市の金属加工を応援するべくデザインされ、1974年に販売を開始しました。

現在「メイドイン燕三条」は世界的に有名ですが、柳宗理はこのブランド価値の向上に一役買っていたといえるでしょう。

ステンレスカトラリーの魅力

柳宗理のプロダクトは、工業製品でありながらどこか手仕事のあたたかみを感じさせるような緩やかな曲線が特徴です。

このステンレスカトラリーも柄や先端に緩やかなカーブが随所にみられ、ステンレス素材にありがちな無機質な印象がなく、日常の食卓に寄り添ってくれるような優しさを感じる方は多いでしょう。

柳宗理はスケッチだけに頼らず、木や粘土で試作しながら形を検討するなど、手を動かすプロセスを重視したとされています。

こうした身体感覚を大切にする姿勢が、柳宗理らしいあたたかみのある造形につながっているとする意見もあります。

ステンレスカトラリーのラインナップ

柳宗理のステンレスカトラリーは、カレースプーンやパフェスプーンなどの特化型製品を含むラインナップの豊富さが大きな魅力です。比較的手に取りやすい価格帯のためシリーズでそろえたい方にもおすすめです。

スプーン

種類サイズ(mm)用途例
コーヒースプーン118エスプレッソ、アイス、調味料
ティースプーン140紅茶、ヨーグルト、小皿料理
ラージティースプーン162少し多めのスープやデザートに
デザートスプーン170デザート、副菜、小さめの主食
スープスプーン170ポタージュや汁物をしっかりすくう
テーブルスプーン183カレー、リゾット、メイン料理
ディナースプーン194ボリュームのある料理に対応
アイスクリームスプーン150アイス、プリンなど冷菓に最適
グレープフルーツスプーン160果肉をくり抜きやすい先端
カレースプーン183皿部の先端を浅く、後方を深く設計。チャーハンや丼ものなども食べやすい
パフェスプーン185背の高いグラスに届く長柄、パフェやクリームソーダに最適
シュガーレードル130砂糖や塩など小さな取り分けに
サービススプーン220大皿からの取り分けに便利
サービングスプーン253パーティー料理や盛り付け用
サーバースプーン248サラダ、前菜の取り分けに
ソースレードル165ソースやドレッシングの注ぎに

フォーク

種類サイズ(mm)用途例
ヒメフォーク140フルーツや焼き菓子、ケーキ
ケーキフォーク150ケーキ、タルト、ミルフィーユなど
デザートフォーク170デザート全般、サラダや前菜など幅広く使える汎用サイズ
フィッシュフォーク170ムニエルやポワレなど魚料理に(身を崩さず口へ運びやすい)
テーブルフォーク183メイン料理全般に。パスタ、肉料理、ワンプレートにも
ディナーフォーク195ステーキやローストなどボリュームのある主菜向け
パスタフォーク198スパゲティなどロングパスタを巻き取りやすい
カニフォーク183甲羅や脚の隙間から身を取り出すのに便利(エビや貝にも)
サービスフォーク220大皿料理やオードブルの取り分けに。サービススプーンとの併用に最適
サーバーフォーク248サラダやパスタの盛り付け・取り分けに。長柄で深めの器にも届く

ナイフ

種類サイズ(mm)主な用途の具体例
バターナイフ170バターやチーズの塗布、カット
フルーツナイフ170果物、サンドイッチのカット
デザートナイフ210軽食やケーキカットに最適
フィッシュナイフ207魚の身を崩さず切りやすい
テーブルナイフ230肉や魚の切り分けに便利
ディナーナイフ220厚みのある肉料理など本格的な食事に

その他

種類サイズ(mm)主な用途の具体例
マドラー220飲み物のかき混ぜ、カクテル用
ケーキサーバー235ケーキやタルトの取り分け用

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柳宗理のカトラリーは種類がありすぎて悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。そこで、多くの方におすすめのセットを2つ紹介いたします。

まず、主に大きめのお皿を使う食事用のカトラリー(ステーキ+スープ+パスタなど)で使いたいとお考えの方は、ディナーセット(ディナーフォーク+ディナースプーン+ディナーナイフ)がおすすめです。

デザートまでカバーしたいのであれば、デザートスプーンとデザートフォークを追加購入するとよいでしょう。デザートスプーンはコーヒーや紅茶用のスプーンとしても十分使えますので、ほとんどの用途をカバーできます。

柳宗理のカトラリーの場合、セット買いにしてもあまり割安にはならないため、個別に少しずつ買い集めていくというのもよいのではないでしょうか。

カレースプーンやパフェスプーンといった特化型カトラリーを買い集めて、その使い心地に感動するというのも柳宗理のステンレスカトラリーの楽しみでもあります。

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アルネ・ヤコブセン|AJカトラリー

デザイナー紹介

アルネ・ヤコブセン(1902–1971年)はデンマークの建築家・デザイナー。建築から家具、カトラリーなどの小物まで手がける「トータルデザイン」で知られます。

アルネ・ヤコブセンは建物の一部としての道具を考える考え方を持っていました。AJカトラリーは、この考え方にもとづき、ヤコブセンが建築と内装を包括的に手がけた「SASロイヤルホテル」で使用する道具の一つとしてデザインされたのです。

ヤコブセンの作品で有名な「スワンチェア」もSASロイヤルホテルのロビー、ラウンジ空間のためにデザインされた作品です。

ちなみに、柳宗理はスワンチェアについて、「まるで蓮の花弁に座ったような静かで落ち着いた気持ちになる」と高い評価を与えています。

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AJカトラリーの魅力

AJカトラリーがデザインされた1957年当時、ホテルやレストランでは銀製のカトラリーが伝統的で、ステンレスの採用は革新的でした。ヤコブセンは機能的な代替としてステンレスを選び、余計な装飾を削ぎ落とすデザインを目指したとされています。

このため、AJカトラリーは一流ホテルであるSASロイヤルホテル向けにデザインされたカトラリーではあるものの、ゴージャス・華やかといった装飾的な要素は極力抑えられています。幾何学的で普遍的なデザインですので、家庭で使うカトラリーとしてもなじみやすく、長きにわたり根強い人気があります。

こちらのAJカトラリーはスタンリー・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」で使用されたカトラリーとしても有名ですね。

AJカトラリーのラインナップ

ヤコブセンのAJカトラリーは、フォーク、ナイフ、スプーン、ティースプーンの4Pセット販売が基本です。

  • ディナースプーン(201mm)
  • ディナーフォーク(199mm)
  • ロングディナーナイフ(200mm)
  • ティースプーン(134mm)

価格が高めですので、バラで買いたい方もいるでしょうが、残念ながら、日本のネットショッピングでは基本的にセット購入しかありません。

なお、4P×4セットを購入すると、15~20%程度の割安で買える場合もあります(2025年12月時点)。家族分をそろえたいといった方は、思い切ってこちらを購入するとよいでしょう。

他に、AJカトラリーには、「サラダサーバーズ」「パイサーバー」もあります。ただし、これらの取扱店は少なく、入手がやや難しい状況です。

カイ・ボイスン|グランプリ

デザイナー紹介

カイ・ボイスン(1886–1958)は、デンマークの銀細工師/デザイナー。若い頃にGeorg Jensen(ジョージ・ジェンセン)で修行し、その後1910年から銀細工師として活動しました。

カトラリー分野では、1938年にデザインしたこの「グランプリ(Grand Prix)」が世界的な評価を得る転機となりました。このカトラリーの名称は、1951年のミラノ・トリエンナーレに出品し、最優秀賞(Grand Prix)を受賞したことに由来します。

グランプリのデザイン自体は、実は1938年に銀のカトラリーで完成していました。

しかし、カイ・ボイスンは銀からステンレスへという時代の変化のなかで、貴重な銀の代替としてステンレス版のプロダクトを提示したといわれています。

グランプリの魅力

グランプリは「気取らないのに上品」「使うほどに良さが分かる」という方向性が魅力。落ち着いた見た目ですので、日常のテーブルになじみやすいでしょう。

スプーンは複数種あり、用途に応じて形や角度が調整されるなど、実用面もしっかり考慮された用の美のプロダクトです。例えば、ジャム用は平たくしているので、すくう・塗るという動作がスムーズです。また、フォークはパスタが絡みやすい切れ込みが入っています。

グランプリのラインナップ

グランプリはバラ売りで購入できますが、統一感を出したいならセット買いがおすすめです。

メイン料理に使いたいなら以下の3種類のセットがおすすめです。

  • ディナースプーン:197mm
  • ディナーフォーク:192mm
  • ディナーナイフ:200mm

デザートまで、対応したければ、以下を追加するとよいでしょう。

  • ラージティースプーン:152mm
  • ケーキフォーク:148mm

グランプリはつや消し(マット)と、つやあり(ミラー)の2種類があるので間違えないようにしてくださいね。上記はマット加工です。

さらに、ホームパーティーなども対応したいなら、以下のカトラリーを追加できます。

  • サービススプーン:235mm
  • サービスフォーク:235mm

おしゃれな贈り物として喜ばれそうなのが、ベビー用の3ピースカトラリーセット。離乳食の始まりから使えるカトラリーで、ステンレスならではの頑丈さと衛生面の保ちやすさが魅力です。価格的にもそれほど高くなく、日常使いが可能です。

三大ステンレスカトラリーの選び方

三大ステンレスカトラリーはどれも甲乙つけがたいほど美しく、かつ機能的です。そこで、価格帯や素材など、主な違いを以下表にまとめました。

 柳宗理 ステンレスカトラリーアルネ AJカトラリーカイ・ボイスン グランプリ
価格帯中価格中〜高価格中〜高価格
装飾性少ない中程度中程度
素材18-8ステンレス18-8ステンレス 13-0(ナイフ)18-10ステンレス  
仕上げつや消しつや消しつや消し つやあり

上記内容について詳しく解説します。

カトラリーの立ち位置で選ぶ

ステンレスカトラリーは、ごく大まかにいうと、価格×装飾性のマトリクスで整理すると選びやすくなります。

低価格×低装飾・安くてシンプルな毎日使うカトラリー ・IKEAや無印のカトラリーなど
中価格×低装飾・毎日使うけれどデザインや品質にもこだわりたい方におすすめ ・柳宗理のカトラリーなど
中〜高価格×中装飾・主張が程よく心地いいデザイン重視の領域 ・ヤコブセンやカイ・ボイスンのカトラリーなど
高価格×高装飾・ハレの日用や贈答用の領域 ・銀製、銀メッキ系も含めて語られることが多い ・クリストフルやジョージ ジェンセンのカトラリーなど

上記はあくまで目安ですが、このように自分の好みを整理してみると、お気に入りのカトラリーを探しやすくなるでしょう。

ステンレスの素材で選ぶ

三大カトラリーの素材と特徴を以下にまとめました。

 特徴カトラリー
18-10 ステンレススチール (18%以上のクロム+10%以上のニッケル)金属特有の「カナケ」(味・臭い)を抑えやすい サビの発生率も低いカイ・ボイスン グランプリ
18-8ステンレス (18%以上のクロム+8%以上のニッケル)耐食性に優れ、カトラリーで最も一般的 延性・靭性が強く曲げ加工しやすい  柳宗理 ステンレスカトラリー アルネ・ヤコブセン AJカトラリー
18-0 (18%以上のクロム+0%のニッケル)耐食性が低く、濡れたまま放置できない安価なカトラリーなど
13-0(13クロム系)刃部を硬くする焼入れが必要な刃物向きアルネ・ヤコブセン AJカトラリー(ナイフ)

三大カトラリーを比較する際には、18-8と18-10の違いが気になるところですが、家庭レベルではほぼ同じと考えてよいでしょう。

しかし、「毎日つけ置き洗いしている」「小まめにハイター(塩素系)で消毒している」といった方は、18-10のカイ・ボイスン グランプリを選んでおいてほうが、耐久性の面で安心です。

ステンレスの仕上げで選ぶ

ステンレスカトラリーの仕上げは、大きく「つやあり(ミラー/鏡面)」と「つや消し(マット/サテン/ブラッシュなど)」に分かれます。メーカーによって呼び方が違うので、表記をよく確認しておくとよいでしょう。

つやありとつや消しでは以下のような違いがあります。

 つや消しつやあり
雰囲気落ち着いた印象華やか
指紋・水滴跡・小傷の目立ちやすさ目立たない目立ちやすい
洗いやすさ落としやすい ※仕上げによっては、やや落としにくいカトラリーもある落としやすい
食洗機対応対応

一般的には日常使いならつや消し、レストランのような華やかな雰囲気を出したい場合はつやあり、などといわれています。

三大カトラリーを選んでおけば間違いなし!

デザインが良く、高品質なプロダクトを長く愛用したいという方は増えています。そのような方にとって、柳宗理、アルネ・ヤコブセン、カイ・ボイスンのカトラリーはぜひとも比較検討したいプロダクトといえます。

それぞれデザイナー独自のセンスが息づいていますし、使い心地も抜群です。すてきなカトラリーで食卓を彩ってみてはいかがでしょうか。

ステンレスカトラリーについてのよくある質問

ステンレスカトラリーについてよくある質問にお答えします。

ステンレスカトラリーがサビることはあるの?

あります。

ステンレスはサビにくい金属ではありますが、表面の「保護皮膜」が崩れる条件がそろうと点状のサビ(孔食)や赤茶け(もらいサビ)が起きます。

家庭でよくあるのは以下のようなケースです。

  • 長期間水に付けたまま
  • 食洗機後に庫内で蒸れたまま
  • 包丁・缶類など鉄系の金属を長時間接触させて放置(サビが移る)
  • 金タワシ・研磨剤などで磨いて皮膜を傷つけてしまう
  • 塩素系漂白剤の長時間つけ置き(ステンレス製品は塩素系漂白剤に弱い)

したがって、ステンレス=絶対にサビないとは考えないようにしてください。

ホテルやレストランで人気のステンレスカトラリーは?

以下のようなカトラリーがホテル・レストランから選ばれています。

  • 燕物産株式会社「Arco(アルコ)」:上品で万人受けするカトラリー。1993年からのロングセラー
  • LUCKYWOOD(ラッキーウッド)「メテオラ」:ミラー仕上げ。一般向けよりワンサイズ大きい
  • 燕振興工業株式会社「SUNAO- graf」:お箸と並べる和食でも映える小ぶりのサイズが特徴

ホテルやレストランで人気のステンレスカトラリーは、一般的に以下のような傾向があります。

  • 大きめのサイズ:大きめの器とのバランスを取りやすい
  • ミラー仕上げ:格式が上がりやすい

「ホテルやレストランのようなおしゃれなカトラリーが欲しい」と思うかもしれませんが、目的や用途が違います。カトラリー単体で見るとすてきに思えても、家庭の食卓にはマッチしない場合もあると考えておくとよいでしょう。