柳宗理の片手鍋というと18cmのものが非常に有名で、22cmの浅型片手鍋はあまり目立たない存在といえるでしょう。
しかし、鍋のポテンシャルでみると、柳宗理の浅型片手鍋(22cm)のほうがかなり上といえます。煮魚・煮物、鍋もの、カレー・シチューなど幅広い家庭料理に対応できますし、生姜焼きやハンバーグといったフライパン料理にも使えます。
本記事では、柳宗理の浅型片手鍋を3年以上使ってきた実体験をもとに、使い勝手の良さやおいしく作れる料理などを具体的に紹介します。購入後のイメージがしやすくなると思いますので、ぜひ参考にしてください。
柳宗理の浅型片手鍋(22cm)のスペック
柳宗理の浅型片手鍋(22cm)は、IH対応(ステンレス・アルミの3層鋼)とガス火向け(単層のステンレス)の2種類があります。IH対応はIHだけでなく、ガス火でも使用可能です。
| サイズ(内寸) | 直径220mm、深さ66mm |
| サイズ(フタ・持ち手含む) | 幅423×奥行260×高さ123mm |
| 容量(満水) | 2.5L |
| 底厚 | IH対応:2.6mm ガス火専用:1.0mm |
| 材質 | IH対応:ステンレス+アルミ+ステンレス(三層鋼) ガス火専用:18-8ステンレス鋼(単層) |
| 重量 | IH対応(三層):約1.3kg ガス火専用:約940g |
柳宗理の浅型・片手鍋(22cm)は、片手鍋でありつつ、浅型鍋あるいはソテーパンに近い形とサイズ感が特徴です。これらのタイプはフッ素樹脂加工(いわゆるテフロン加工)のものがポピュラーですので、ステンレス製、特に多層タイプをお探しの人は数少ない選択肢の一つとなるでしょう。
幅広い料理で使うならIH対応(三層)がおすすめの理由
もしも柳宗理の浅型片手鍋を幅広い料理に使いたいと考えているなら、IH対応(三層)がおすすめです。
IH対応(3層鋼)とガス火向け(単層)の大きな違いは、対応熱源に加えて、3層(厚め)か単層(薄め)かという構造にあります。IH対応(三層)タイプは、ステンレス+アルミ芯材+IH対応ステンレスの積層構造で、熱が鍋底から面で広がりやすい作りです。
しかも、鍋底は2.6mmと一般的な鍋に比べてかなりの厚みがあります。これにより加熱の立ち上がりこそ遅いものの、狙った温度に達した後はそれをキープしやすいのです。
結果として、鍋底の一点だけが強く熱くなる状態になりにくく、焦げつきにくさにつながります。このため、煮る・茹でる・炒める・温め直すといった工程にオールマイティに対応でき、ワンランク上の料理を目指せるようになるでしょう。

一方、ガス火専用(単層)は「火が当たっている中央だけが先に高温になる」「周囲はまだ温度が低い」という状態が起こりやすくなります。
柳宗理の片手鍋は単層でも決して質の低い鍋ではありませんが、購入後に「炒めるなら、テフロンの浅型鍋のほうが使いやすい」「煮るならアルミの雪平鍋のほうが扱いやすい」といった不満が出やすいかもしれません。

購入者の口コミのなかには、「デザインはいいけど、普通の鍋」という内容がみられますが、その大半はガス火専用(単層)タイプの購入レビューなのです。IH対応はガス火専用より価格が少し高いですが、価格以上の価値があると思います。
柳宗理の浅型片手鍋(22cm)のIH対応タイプ(3層鋼)でおいしく作れる料理
柳宗理の浅型片手鍋(22cm)はIH対応タイプ(3層鋼)がおすすめだと解説しましたが、まだ具体的にイメージしづらい方もいるかもしれません。
そこで、浅型片手鍋を長年使ってきた体験談も交えながら、「この料理は浅型片手鍋が向く」「ほかの鍋より作りやすい」と感じた料理を紹介します。
煮魚・煮物|対流が良いのでおいしくできる

柳宗理の浅型片手鍋は、底面が広めで、内側の角がなだらかな形状。この形状のおかげで、煮汁が鍋の中で回りやすくなっています。
そのため、落としぶたで煮汁を回しながら仕上げたい煮魚との相性が良好。身がふっくらした、おいしい煮魚に仕上がります。
さらに、筑前煮・肉じゃがといった定番の煮物にもぴったり。満水時2.5Lの容量があるため、2〜4人分ほどの量にちょうどよいサイズです。
一人暮らしなら多めに作って、鍋ごと冷蔵庫に保存してもよいでしょう。高さがないため冷蔵スペースにも入れやすいです。

柳宗理の浅型片手鍋は内寸が22cmあるため、ブリのような小さめの切り身だけでなく、カレイなどの大きめの魚も調理できるのがうれしいところです。
親子丼・他人丼など|トロトロ卵が自由自在!

親子丼・他人丼などの丼ものも、柳宗理の浅型片手鍋の得意分野です。三層構造で熱がムラなく伝わりやすく、焦げつきにくいので、火の入りが安定します。
また、22cmと適度な大きさで高さもあるため、「フライパンでやるとうまくいかない」といった方でもやりやすくなるかもしれません。火を止めた後も厚底が熱をキープするので、フタをしてトロトロの半熟状態にもっていくのも簡単です。

柳宗理の浅型片手鍋なら、ぜひ試してほしいのが「お肉の霜降り」。「お湯を沸かす→お肉を霜降り→フタをずらして湯切り→お水を入れてお肉を洗う→フタをずらして水切り→煮汁・たまねぎなどを入れる→親子丼をつくる」という工程がとてもスムーズです。

麦茶など|広底で短時間で沸騰する、やかん代わりに!
料理といえるかわかりませんが、あまりに便利なので紹介します。
柳宗理といえば、底が広く短時間で沸騰するやかんが有名ですが、この浅型片手鍋も広底という点では同じです。短時間でお湯が沸くので、麦茶を作る際や、調理用のお湯を沸かしたいときなどに重宝するでしょう。

実際、フタをした状態で強火にかけたところ、1リットルのお湯を約5分で沸騰させることができました。この時間は、他の鍋や電気ケトル(ティファール製)と比べて短いものでした。
※冬場にガス火・強(鍋からはみ出ない程度に調整)で実測した数値です。熱源環境によって変わるため、目安程度にしてください。
そば・うどん・パスタなどの乾麺|入れやすく・吹きこぼれにくい

柳宗理の浅型片手鍋は内径22cmですが、トレードマークの注ぎ口まで含めると、外寸で約26cmほどあります。ですので、パスタの長さでも注ぎ口をマクラのようにして置いて茹でていれば、ほどなくしてお湯のなかに収まり、全体が茹でられるようになります。そば・うどんなどの短めの乾麺であれば、すっぽり入ります。
さらに、IH対応の浅型片手鍋は三層構造によって熱ムラが少なく、対流も非常によいため、熱源を強くしすぎないかぎり吹きこぼれにくいです。「アルミの片手鍋だと、すぐに茹でこぼしてしまう」といったストレスがある方でも、吹きこぼれに悩まされにくくなるでしょう。

IH対応の浅型片手鍋は鍋底がしばらく熱い状態を保てますので、再沸騰が速くなります。
このため、「麺類をフタをずらして湯切り→水洗いしてフタで水切り→麺つゆを入れて沸騰、またはパスタソースを入れて温めて混ぜる」といったズボラランチにもおすすめです。

お、一般的なインスタントラーメン、冷凍うどん・そばなども浅型片手鍋で作れます。一人前の500mlほどでは麺がつかり切れませんが、途中でひっくり返して煮れば特に問題なしです。

トマトパスタソース・酢の物料理|酸に強い
パスタパンというとアルミ製のイメージがありますが、家庭料理では三層のステンレス鍋のほうが調理しやすいといえるでしょう。
アルミパンは火を弱めたり止めたりしたときの反応が比較的早い一方、一般の方だと「火が強すぎてニンニクが焦げた」「鍋の側面でトマトソースが焦げた」「温度が上がりすぎて乳化が切れ、オイルが分離する」といった事態になりがちです。
一方、ステンレスの三層鍋なら、
- ニンニクの色づきやソースの煮詰まりを目で見て止めやすい
- 弱めの火力で回せるので、はね・吹きこぼれが減りやすい
- チーズ・バター・卵系の余熱調理が決まりやすい
といったメリットがあります。柳宗理の浅型片手鍋は縁が適度に高いため、ソースとパスタをあえやすいのも利点です。
また、ステンレスなら、トマトやお酢、バルサミコ酢といった酸味の強い料理でも安心感があります。アルミ鍋ではNGとされているチキンのトマト煮、イワシの酢煮、鶏のバルサミコ酢煮などにも使えます。
カレー・シチュー|炒めてコトコト煮込むがスムーズ

柳宗理の浅型片手鍋の形状は、テフロンの「炒め鍋」に近いため、1つの鍋で「炒め→煮込み」まで完結しやすいです。
広めの底+浅型なので、玉ねぎや肉を炒めるときにヘラが動かしやすく、全体を混ぜやすいのが特徴。さらに、柳宗理の浅型片手鍋(IH対応・三層タイプ)は熱ムラが少ないため、たっぷりの具材も均一に炒めやすいでしょう。
煮込みの工程では、フタを回転させて本体との隙間を調整でき、蒸気の逃がし方を変えられます。また、ゆっくりコトコト煮込みたいときも、厚底で熱を蓄えられるため、極弱火でも静かに煮込む状態を保ちやすいのです。
鍋物|そのまま食卓に出してもおしゃれ

柳宗理の浅型片手鍋はデザイン性も高いため、食卓に置いても調理器具っぽさが出にくいといえるでしょう。土鍋のような和の趣は少ないですが、ポトフやトマト鍋、ブイヤベースのような鍋ものはもちろん、すき焼き、ブデチゲ(ソーセージとインスタントラーメンで作る韓国の鍋)のような庶民的な鍋も不思議とサマになります。
また、22cm(注ぎ口を入れて約26cm)のサイズ感も、家庭用ガスコンロにちょうどよく置けます。底が広いぶん土鍋より据わりがよく、安定感があるのもポイント。内側の深さは約6.8cmと高すぎないため、鍋の具材を取り分けやすいのもメリットです。

白菜をたっぷり入れるような鍋料理では、やや高さが足りないと感じることもあるかもしれません。
ただ、複数回に分けて材料を入れれば、それほど使いにくいとは感じないでしょう。
お味噌汁・スープ|2.5Lの余裕
柳宗理の浅型片手鍋は満水時2.5Lあり、すっきりした見た目と違って意外に大容量です。このため、豚汁、お雑煮といった具沢山の汁物も作りやすいサイズといえるでしょう。
ひと昔前、料理研究家の土井 善晴さんが提唱した「毎日の食事は”具沢山の味噌汁 + ご飯 + 漬物などで十分」とする「一汁一菜」がブームとなりました。柳宗理の浅型片手鍋なら、この「一汁一菜」にもぴったりといえるでしょう。

柳宗理の片手鍋(18cm)の満水時は2.0L。この容量だとちょっと不安という方にも柳宗理の浅型片手鍋はおすすめです。
焼き物(麻婆豆腐、八宝菜系)|コツを覚えれば簡単!

ステンレス鍋に対して「食材がこびりつく」というイメージを持つ方もいるでしょう。しかし、「中火で予熱→油→食材の順にする(油を最初から入れっぱなしにして熱しすぎない)」というコツさえ守れば、特に難しいことはありません。
しょうが焼きやハンバーグなどの家庭料理も作れますし、目玉焼きだってツルツルと滑らせることが可能です。特に、麻婆豆腐・中華丼・青椒肉絲のように、炒めてから煮る/とろみを付ける料理では、柳宗理の浅型片手鍋が活躍します。
柳宗理の浅型片手鍋(22cm)の口コミ・評判
柳宗理の浅型片手鍋(22cm)の口コミ・評判は総じて高く、特に幅広い料理に使える点が評価されていました。海外の購入者の高評価が多いことも、さまざまな料理がしやすい証といえるでしょう。
大手ショッピングサイトやブログなどのレビューから要点をまとめました。
【良い口コミ】
- 2合の炊飯、そうめん200gを茹でる、野菜などの下茹、炒め物など幅広く使えている
- 余りものの温め直し、スパゲッティ、炒め、ソース系など用途が広い
- 炒め物・揚げ物・煮物まで幅広く使えて便利(注:公式の説明書には揚げ物は不可と書かれています)
- 熱伝導・保温が良く、使いやすい
- 形(デザイン)が良い
【悪い口コミ】
- ちょっと重い
- 3〜4人分向きなのでちょっと大きかった
柳宗理の浅型片手鍋(22cm)は万能型の便利鍋!
今回は柳宗理の浅型片手鍋(22cm)をご紹介しました。重要ポイントを振り返ると以下のとおりです。
- とにかく幅広い料理に使える
- 熱伝導や対流の良さがあるので、調理器具の性能にこだわる方にもおすすめ
- IH対応タイプ(三層)とガス火専用タイプ(単層)なら、IH対応タイプがおすすめ
1つ持っておくと日常的に活躍する鍋となるはずです。ぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか。
柳宗理の浅型片手鍋(22cm)についてのよくある質問
ここでは、柳宗理の浅型片手鍋についてのよくある疑問についてお答えします。
IH対応タイプ(三層)とガス火専用タイプ(単層)は何が違うのですか?
IH対応タイプ(三層)は、ガス火専用タイプ(単層)に比べて、熱ムラが出にくく、焦げつきやすさを抑えやすいのが特徴です。
そのため、幅広い料理に対応できます。いろいろな料理を快適に作りたいのであれば、価格はやや高くなりますが、IH対応タイプ(三層)を選ぶのがおすすめです。
一方、できるだけ軽量なものが欲しい方や、直火に近い感覚で手早く扱いたい方は、ガス火専用タイプ(単層)が向いています。
柳宗理の片手鍋は揚げ物ができますか?
メーカーや販売店の注意書きに「揚げ物・天ぷら料理には使用しないでください」と記載があるため、基本的にはNGです。
購入者の口コミを見ると揚げ物に使っている方もいますが、安全面や変形のリスクを考えると、別の鍋を使うのがおすすめです。
片手鍋22cmと片手鍋18cmはどっちがいいですか?
片手鍋22cmと片手鍋18cmでは、得意分野が少し異なります。
あくまで一例ですが、それぞれおすすめの方を以下にまとめました。
【22cmが向く方】
- 幅広い料理に使いたい
- 「焼く→煮る」の流れで作る料理が多い
- 鍋ものを作って、そのまま食卓に出したい
【18cmが向く方】
- 1〜2人分をサッと作りたい(味噌汁、スープ、少量の煮物など)
- 鍋の高さが欲しい(汁気の多い料理が多いなど)
- 収納や重さを少しでも抑えたい
片手鍋(22cm)と両手鍋(22cm)のどっちがいいですか?
容量(作る量)がどこまで必要かどうかが、大きなポイントになります。片手鍋と両手鍋の容量は以下のとおりです。
- 片手鍋 22cm:容量 約2.5L
- 両手鍋 22cm(浅型):容量 約3.8L
- 両手鍋 22cm(深型):容量 6L(満水)
1〜3人分が中心なら片手鍋22cmでも十分なことが多いでしょう。一方、4人以上の多めの料理や作り置きをしたい場合は、両手鍋が選択肢になります。 また、片手鍋はフタの回転で湯切りができますが、両手鍋では同じ使い方ができない点も違いとして押さえておくとよいでしょう。

